「ネットショップを始めてみたいけれど、最初から毎月固定費を払うのは不安」
そんなとき、選択肢の一つになるのがBASE(ベイス)です。
BASEのスタンダードプランは、初期費用・月額費用0円でショップを開設できます。
ただし、ここで注意したいのが、
「無料で開設できる」=「販売にまったく費用がかからない」ではない
ということです。
商品が売れれば決済手数料やサービス利用料が発生しますし、売上金を銀行口座へ振り込む際にも手数料がかかる場合があります。
ネットショップを始めるときは、「ショップを作れるか」だけでなく、
- 実際にいくら費用がかかるのか
- 何を準備すれば公開できるのか
- 商品価格をどう決めるのか
- 送料や発送をどうするのか
- 返品・問い合わせにどう対応するのか
- 開設後にどうやってお客様を集めるのか
まで考えておくことが大切です。
この記事では、BASEを例に、初めてネットショップを開業する人が知っておきたいことを順番に解説します。
BASEは本当に無料でネットショップを始められる?
BASEには「スタンダードプラン」と「グロースプラン」があります。
初めて小さく始める場合に利用しやすいのがスタンダードプランです。
スタンダードプラン
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 初期費用 | 0円 |
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 3.6%+40円 |
| サービス利用料 | 3% |
つまり、ショップを作って商品を並べ、まだ1件も売れていない段階では月額費用はかかりません。
商品が売れたときに手数料が発生する仕組みです。
なお、PayPay・Amazon Pay・PayPalを利用した注文では、決済手数料にシステム手数料相当額1%が加算されます。
BASEのスタンダードプランは「初期費用・月額費用0円」です。商品が売れたときの決済手数料・サービス利用料や、売上金を振り込むときの費用まで0円という意味ではありません。
売上金を銀行へ振り込むときにも費用がある
BASEの売上金をショップ指定の銀行口座へ振込申請する場合、現在は振込申請1回につき振込手数料250円がかかります。
さらに、振込申請額が2万円未満の場合は事務手数料500円がかかります。
| 振込申請額 | 通常の手数料 |
|---|---|
| 2万円未満 | 振込手数料250円+事務手数料500円 |
| 2万円以上 | 振込手数料250円 |
少額の売上を何度も振り込むと、その都度手数料がかかります。
ネットショップの利益を考えるときは、販売時の手数料だけでなく、売上金を受け取るまでの費用も確認しておきましょう。
売上が増えたらグロースプランも比較する
BASEには、月額料金を支払う代わりに販売時の手数料を抑えられる「グロースプラン」もあります。
| 項目 | グロースプラン |
|---|---|
| 初期費用 | 0円 |
| 月払い | 19,980円/月 |
| 年払い | 198,960円/年 1か月あたり16,580円 |
| 決済手数料 | 2.9% |
| サービス利用料 | 0円 |
BASE公式では、Pay IDアプリからの注文を除き、月商約50万円を超えるショップではグロースプランがお得になる目安としています。
最初から売上規模が分からない場合は、スタンダードプランで始め、実際の売上が増えてから比較する方法もあります。
プランによって機能が減るわけではない
スタンダードプランとグロースプランで、利用できるBASEの機能に基本的な違いはありません。
主な違いは料金体系です。
そのため、初心者だから有料プランでなければ機能不足になる、という考え方をする必要はありません。
ネットショップを作る前に決めておきたい7つのこと
BASEのアカウントを作る前に、最低限次の内容を考えておくと開設がスムーズです。
1.何を売るのか
最初に販売商品を明確にします。
例えば、
- 洋服
- ハンドメイド商品
- 雑貨
- アクセサリー
- 食品
- デジタルコンテンツ
などです。
「とりあえずショップを作ってから考える」より、最初に数点でも販売できる商品を準備しておくほうが、公開まで進みやすくなります。
2.誰に売るのか
同じ商品でも、誰に販売するかによって写真、説明、価格、デザインが変わります。
例えば古着なら、
- ヴィンテージを探している人
- 低価格で普段着を探している人
- ブランド古着を探している人
- 子ども服を探している家庭
では、ショップの作り方も変わります。
3.ショップ名
ショップ名は、お客様が覚えやすく、SNSなどでも検索しやすいものを考えます。
4.ショップURL
BASEでショップ開設時に登録したURLは、原則あとから変更できません。
仮の名前で急いで決めるのではなく、今後も使えるURLか確認してから登録しましょう。
5.商品の価格
商品価格は、仕入価格だけを見て決めないことが重要です。
少なくとも、
- 仕入原価
- 販売手数料
- 梱包資材
- 送料のショップ負担分
- 広告費
- 返品・トラブル対応にかかる費用
- 利益
まで考えて価格を設定します。
6.送料
送料無料にするのか、購入者負担にするのかを決めます。
購入者負担にする場合でも、地域や配送方法によって送料が変わるため、商品価格とのバランスを確認します。
7.発送までの日数
注文を受けてから何日以内に発送できるのかを決めます。
「早く見せるため」に無理な発送日数を設定するより、実際に守れる日数を設定することが重要です。
BASEでネットショップを開設する流れ
BASEでショップを開設したあと、公開までに主に次の設定を行います。
- ショップアカウントを作成する
- メールアドレスを認証する
- 運営に関する情報を入力する
- BASEかんたん決済の利用申請を行う
- 商品を登録する
- ショップデザインを整える
- 送料・発送方法などを設定する
- 内容を確認してショップを公開する
「アカウントを作ったらそのまま販売開始」というわけではありません。
特に、運営者情報、決済、商品登録は公開前にしっかり確認しましょう。
「特定商取引法に基づく表記」は必ず確認する
ネットショップでは、販売者側が自由に商品を掲載するだけではなく、通信販売として必要な情報を購入者へ表示する必要があります。
特定商取引法では、通信販売について、例えば、
- 販売価格
- 送料
- 支払時期・支払方法
- 商品の引渡時期
- 返品・キャンセルに関する条件
- 事業者名
- 住所
- 電話番号
などの表示が求められています。
BASEでは「運営に関する情報」へ入力した内容をもとに「特定商取引法に基づく表記」のページが作られます。
空欄を埋めるだけではなく、お客様が購入前に理解できる内容になっているか確認しましょう。
個人ショップは住所・電話番号を非公開にできる場合がある
BASEでは、区分が「個人」のショップについて、店舗・活動場所の住所と連絡先を非公開にする設定があります。
非公開にした場合、特定商取引法に基づく表記にはBASE株式会社の住所などが表示される仕組みです。
ただし、ショップ運営者の氏名は非表示にはできません。
また、商品発送時にはBASEの住所ではなく、自分の発送元住所を使用する必要があります。
商品ページは「写真・価格・説明」だけでは足りない
ネットショップでは、お客様が実際に商品を手に取ることができません。
そのため商品ページは、店頭販売以上に情報を分かりやすくする必要があります。
掲載しておきたい基本情報
- 商品名
- 価格
- 複数の商品写真
- サイズ
- 素材
- カラー
- 商品の特徴
- 在庫数
- 発送方法
- 発送までの日数
- 商品ごとの注意事項
中古品なら状態を具体的にする
古着などの中古品では、さらに、
- 汚れ
- 傷
- 穴
- 色あせ
- 毛玉
- 補修跡
- 付属品の有無
など、購入判断に必要な状態を写真と文章で伝えることが重要です。
「古着なので使用感があります」だけではなく、どの部分にどのような状態があるのかを具体的にすると、購入後の認識違いを減らせます。
商品によっては許可や届出が必要
BASEでショップを作れることと、その商品を法律上販売できることは別です。
取り扱う商品によっては、許可や届出などが必要な場合があります。
例えば、中古品を仕入れて継続的に売買する古物営業では、古物商許可が関係します。
衣類も古物営業法上の古物区分に含まれています。
食品、酒類などについても、それぞれ別のルールがあります。
販売する商品を決めたら、必要な許認可がないか、所管する行政機関の最新情報を確認しましょう。
BASEかんたん決済で利用できる支払い方法
BASEでは「BASEかんたん決済」を利用します。
現在は、
- クレジットカード
- あと払い
- コンビニ・Pay-easy
- キャリア決済
- 銀行振込
- PayPay
- Amazon Pay
- PayPal
などに対応しています。
ショップ側が決済会社と一つずつ個別契約する必要を減らせる点は、初めてネットショップを始めるときのメリットです。
一方で、ショップ独自の銀行口座へ直接振り込んでもらうなど、BASEかんたん決済以外の方法へ購入者を誘導することはできません。
ネットショップを公開しても、お客様が自動で来るわけではない
ネットショップ開業でよくある勘違いが、
「ショップを公開すれば検索されて商品が売れる」
という考え方です。
ネットショップは24時間注文を受け付けられますが、公開しただけで十分なアクセスが集まるとは限りません。
開設後は、
- Threads
- X
- ブログ
- Google検索
- 既存のお客様への案内
- ショップカード
など、自分の事業に合った入口を作る必要があります。
BASEは販売する場所を作るためのサービスです。ショップを作った後に、誰に・どこで知ってもらうかまで考えて初めて販売につながります。
最初から商品を大量に登録しなくてもいい
ネットショップを始めようとすると、「商品を100点準備してから公開しよう」と考えてしまうことがあります。
しかし、最初の目的が販売方法を試すことなら、少数の商品から始める方法もあります。
例えば、
- まず10商品登録する
- 実際にショップを公開する
- アクセスを確認する
- 問い合わせ内容を見る
- 注文が入ったら発送まで実際に行う
- 問題点を修正する
- 少しずつ商品数を増やす
という進め方です。
最初から完成形を目指すより、実際に運営しながら改善したほうが、自分の事業に必要な機能が見えてきます。
注文が入った後の運営まで考えておく
ネットショップで本当に作業が始まるのは、商品が売れてからです。
注文後には、
- 在庫確認
- 商品の検品
- 梱包
- 送り状の作成
- 発送
- 発送通知
- 問い合わせ対応
- 返品・キャンセル対応
などがあります。
BASEはネットショップのシステムを提供しますが、商品の保管や発送をBASEが自動で行うわけではありません。
一人でショップを運営する場合は、1日に何件まで対応できるかも考えておきましょう。
利益を残すために「売上」と「利益」を分けて考える
ネットショップでは売上が増えると成功しているように見えます。
しかし、重要なのは最終的に利益が残っているかです。
例えば、1万円の商品が売れても、1万円すべてが利益になるわけではありません。
そこから、
- 仕入原価
- BASEの販売時手数料
- 送料
- 梱包資材
- 広告費
- その他の経費
が発生します。
開業前から、
販売価格 − 販売に必要な費用 = どのくらい残るのか
を考える習慣をつけておくと、値付けで失敗しにくくなります。
BASEが向いている人
BASEのスタンダードプランは、特に、
- 初めてネットショップを作る
- 固定費を抑えて試したい
- まだ月商が読めない
- 商品数が少ないところから始めたい
- 決済システムを自分で構築したくない
という場合に検討しやすいサービスです。
BASE以外も比較したほうがよい場合
一方で、ネットショップサービスはBASEだけではありません。
すでに大きな売上がある場合や、特殊な在庫管理・業務システムとの連携などが必要な場合は、他サービスも含めて比較したほうがよいことがあります。
重要なのは「一番有名なサービス」を選ぶことではなく、
- 固定費
- 販売手数料
- 必要な機能
- 商品数
- 現在の売上規模
- 今後の運営方法
を比較して、自分の事業に合うものを選ぶことです。
BASEでショップを開く前のチェックリスト
- 販売する商品を決めた
- ターゲットを考えた
- ショップ名を決めた
- 変更できないショップURLを確認した
- 商品価格と利益を計算した
- 送料を決めた
- 発送までの日数を決めた
- 返品・キャンセル条件を決めた
- 商品写真を準備した
- 商品説明を作った
- 必要な許可・届出を確認した
- 特定商取引法に基づく表記を確認した
- 公開後の集客方法を考えた
まとめ|BASEは「無料で試せる」のが強み。ただし開業後の費用まで確認しよう
BASEのスタンダードプランは、初期費用・月額費用0円でネットショップを始められます。
そのため、
「ネットショップが自分の事業に合うか、まず試してみたい」
という人にとって始めやすい仕組みです。
ただし、ネットショップ開業で本当に大切なのは、ショップを作る操作そのものではありません。
開業前に、
- 何を売るのか
- 誰に売るのか
- いくらで売るのか
- 送料はいくらか
- どのくらい利益が残るのか
- どうやって発送するのか
- どこからお客様を集めるのか
まで考えておくことが重要です。
まず少数の商品でショップを作り、実際に販売しながら改善していく。
売上が増えてきたら手数料を確認し、必要に応じてグロースプランや他サービスと比較する。
このように段階的に進めれば、大きな固定費をかけずにネット販売の経験を積むことができます。
参考情報
- BASE「料金・プラン」
- BASE「ショップの新規開設をしたい」
- BASE「スタンダードプランとは」
- BASE「グロースプランとは」
- 消費者庁「通信販売|特定商取引法ガイド」
- 埼玉県警察「古物営業に関する申請手続」
※BASEの料金・手数料・サービス内容は変更される場合があります。実際にショップを開設する際は、BASE公式サイトの最新料金と利用条件をご確認ください。許認可や通信販売に関する法令についても、取り扱う商品や事業形態に応じて所管行政機関の最新情報をご確認ください。
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