メルカリでクレームの連絡が届くと、どう対応すればよいのか、迷ってしまいますよね。
この記事を読んでいる方の中には、まさに今、購入者から返品や返金を求められている方もいると思います。
そんなときに、お伝えしたいことがあります。
クレームのコツは、考えないで機械的に決めること。
相手と長く議論することでも、どちらが正しいのか結論を出すことでもありません。
あらかじめ決めた基準で解決方法を選び、手続きを済ませて、次の仕事へ進む。
そして、クレームによって発生する損失は、ビジネスを続けるうえでの必要経費として考えておく。
この2つを意識するだけで、クレーム対応はずっと楽になります。
この記事では、古着衛門の中古品販売の経験をもとに、返品・返金の判断方法、購入者への返信例、クレームによる損失の考え方をご紹介します。

いまクレーム対応中なら、まず解決方法を決めましょう
購入者からクレームが届いたとき、最初のメッセージには、問題のある箇所や商品の状態がすでに書かれていることが多いと思います。
例えば、「写真と色が違う」「商品が壊れていた」「違う商品が届いた」などです。
まずは、解決方法を選びましょう。
古着衛門がおすすめしたい判断基準は、とてもシンプルです。
| 商品の条件 | 基本の対応 |
|---|---|
| 返送料を負担しても、商品を回収して再販する価値がある | 返品・返金を提案する |
| 低利益の商品で、返送や再販の手間に見合わない | 返品不要のキャンセル・返金を提案する |
高額だから必ず返品、安価だから必ず返品不要ということではありません。
商品の状態、再販できる見込み、返送料、作業にかかる時間などを考えて決めます。
色が違った、写真とイメージが違った、使う時期に間に合わなかった、違う商品が届いた。
どのような申し出でも、まずは商品を回収する価値があるかを考えると、対応方法を決めやすくなります。
なお、購入者の希望による返品が必ず認められるわけではありません。ここで紹介するのは、出品者側が早期解決のために返品・キャンセルを提案するという事業上の方針です。
① 再販する価値がある商品は、返品・返金で解決する
高額商品や、返送料を負担しても再販できる見込みのある商品は、返品してもらう方が合理的です。
商品が戻ってくれば、状態を確認して再販売できる可能性があります。
例えば、次のような申し出があった場合です。
- 写真と実物の色が違った
- 写真のイメージと違った
- 使う予定の日に間に合わなかった
- 注文したものと違う商品が届いた
- 商品説明と実物の状態が異なっていた
商品の回収が必要と判断したら、購入者へ返品・キャンセルを提案しましょう。
必要な条件に合意できれば、あとはメルカリの正式な手続きに沿って進めます。
返品・返金を提案する返信例
ご連絡いただき、ありがとうございます。
お知らせいただいた内容を確認いたしました。
今回のお取引につきましては、返品・キャンセルによる返金で対応させていただきたいと思います。
返品方法についてご案内いたしますので、お手数ですが、ご協力いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
商品説明にない不具合や誤発送など、出品者側の不備が確認された場合は、適切なお詫びの言葉も添えましょう。

② 低利益の商品は、返品してもらわず返金する
商品価格が低く、利益も少ない場合、返品してもらう方が負担になることがあります。
返送の送料だけではありません。
返品された商品の点検、保管、再出品、再梱包、発送にも時間がかかります。
また、破損やにおいなどによって、再販自体が難しい商品もあります。
そんなときは、返品してもらわず、キャンセルによる返金で解決する方法もあります。
例えば、次のような申し出です。
- 色が違った
- 写真とイメージが違った
- 使う時期に間に合わなかった
- 違う商品が届いた
- 商品が壊れていた
- においが気になる
- 説明にない傷や汚れがあった
同じ内容のクレームでも、商品の回収価値によって対応を変えます。
商品の回収に費用と時間をかけるよりも、返送を求めず取引を終える方が合理的な場合もあるからです。
ただし、誤発送などで商品の回収が必要な場合や、返品しない方法では対応できない事情がある場合は、状況に応じて判断してください。
返品不要でのキャンセルを提案する返信例
ご連絡いただき、ありがとうございます。
お知らせいただいた内容を確認いたしました。
今回は返品のお手間をおかけせず、お取引のキャンセルによる返金をご提案いたします。
お届けした商品はご返送いただかず、そのままお手元でお取り扱いいただく方法でよろしいでしょうか。
ご了承いただけましたら、メルカリの正式なキャンセル手続きへ進めさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
通常のメルカリでは、双方が返品不要に合意した場合、キャンセル申請で「返品しない」を選択する方法があります。
購入者の同意を確認したうえで、手続きを進めましょう。

③ 追加で詳しく聞くのは、今後の改善に必要なときだけ
基本的には、購入者から届いた最初の連絡を確認し、解決方法を案内すれば十分です。
ただし、今後の発送や商品管理を改善するために、もう少し状況を知りたい場合があります。
例えば、次のようなケースです。
- 届いたときに梱包が破損していた
- 梱包や商品が濡れていた
- 発送時には心当たりのない破損が商品にあった
このような連絡を受けたときには、まず購入者の申告を信頼して受け止めましょう。
購入者は、クレームをするために商品を購入したわけではありません。
欲しいと思った商品があったから購入したのです。
ところが、その商品が届くまでの過程や、実際に手に取った段階で、当初の目的を果たせなくなる原因が発生した。
だからこそ、購入者の連絡を疑うことから始める必要はありません。
また、追加で詳しく伺うのは、反論したり、返品・返金を避けたりするためではありません。
今後、同じ問題を起こさないために必要な情報を得るためです。
そして、改善のための確認と、現在の取引の解決は分けて考えましょう。
返品・返金の対応を止めて、長く説明を求める必要はありません。
改善のために追加確認をする返信例
ご連絡いただき、ありがとうございます。
お届けした商品に問題があったとのこと、ご不便をおかけしております。
今回のお取引につきましては、返品・キャンセルによる返金で対応させていただきたいと思います。
また、今後の梱包・発送方法を改善するため、差し支えなければ、お届け時の梱包の状態についてもお知らせいただけますと幸いです。
返金の手続きとは別に、今後の改善の参考にさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
なお、配送事故の補償申請などでは、メルカリ事務局や配送会社から、破損箇所や梱包状態の写真などを求められる場合があります。
その場合は、補償手続きに必要な情報であることを伝え、協力をお願いしましょう。

クレームで気になるのは、返送料だけではない
ここからは、クレーム対応で気持ちを楽にするためのお話です。
返品や返金が決まると、送料などの出費が気になりますよね。
ですが、実際には、それ以上に気になることがあります。
売れて利益が出ると思っていた商品が、キャンセルによって売れなかったことになる。
これが、意外と大きな負担になるのではないでしょうか。
例えば、商品が売れて1,500円の利益が残る予定だったとします。
ところが、クレームによって取引がキャンセルになった。
そうすると、得られると思っていた1,500円が手に入らなくなります。
人は、こうした場合にも「1,500円損をした」と感じやすいものです。
すでに売れたと思っていた商品ですから、なおさらです。
しかし、商品販売を続けていれば、すべての取引が予定どおりの利益になるとは限りません。
返品やキャンセルが発生することも、ビジネスの一部です。
クレームの損失は、必要経費として考えておこう
ここでおすすめしたいのが、クレームによる損失を、ビジネスを続けるための必要経費として、最初から想定しておくことです。
商品を販売するためには、仕入原価、販売手数料、送料、梱包資材費など、さまざまな費用が必要です。
それと同じように、返品・キャンセルに伴う費用や損失も、事業を続けるうえで発生し得るものとして考えておきます。
そうすれば、返金のたびに「せっかくの利益がなくなった」と考えるのではなく、予定していたクレーム対応の費用として受け止めやすくなります。
想定していた費用が発生した。ただ、それだけのことです。
この考え方ができると、少額のクレームを早く終わらせる判断もしやすくなります。
大切なのは、すべてのクレームで損失をゼロにすることではありません。
事業全体で必要な利益を確保しながら、クレームを無理なく処理できる仕組みを作ることです。
実際に発生する損失と、得られなかった利益は別のもの
ここで、一つだけ整理しておきたいことがあります。
売れる予定だった商品の利益がなくなることと、実際にお金が出ていくことは、同じではありません。
例えば、返品された商品を再販できれば、その商品には引き続き販売価値があります。
一方、返品不要のキャンセルで商品が戻らない場合には、商品の原価などを回収できなくなる可能性があります。
また、配送方法やキャンセルの条件によって、送料や販売手数料の取り扱いも異なります。
気持ちの面では、予定していた利益がなくなることも損失として感じられます。
ただし、実際の費用を管理するときは、返送料、回収できない商品原価、再販価値などを区別しておきましょう。
ここでいう必要経費とは、経営判断のために想定する負担のことです。税務・会計上の経費計上とは区別して考えてください。
クレームの「件数」と「損失金額」は別々に決める
クレームを機械的に処理するためには、あらかじめ2つの基準を設定しておくと便利です。
一つは、クレームがどのくらい発生することを想定するか。
もう一つは、クレーム対応による損失を、どのくらいまで事業の予算として考えるかです。
件数と金額は、別々に管理します。
件数の基準|例えば100件に1件
例えば、100件の取引につき1件を、クレーム発生頻度の確認基準として設定しておきます。
これは、100件に1件のクレームが発生するという意味ではありません。
あくまで、自分で設定する仮の目安です。
クレームがこの範囲に収まっているなら、決めておいた方法で処理する。
継続して基準を超えるようなら、商品の点検方法や商品説明、梱包方法など、販売の仕組みに改善できるところがないか確認します。
一時的に件数が増えただけで、すぐに問題があると判断する必要はありません。
同じ種類のクレームが繰り返されていないかも、合わせて確認しましょう。
金額の基準|例えば月間売上の5%以内
一方、損失金額については、例えば「月間売上の5%以内」のように、クレーム対応に使う管理予算を決めておく方法があります。
こちらは、クレームの件数とは関係なく設定します。
返送費用や回収できない商品原価など、事業として負担する損失を管理するための基準です。
5%という数字も、あくまで説明用の例です。
実際には、売上だけでなく、利益率や商品単価なども考え、自分の事業に合った水準を決めてください。
なお、金額の基準は、返品・返金を断るための上限ではありません。
予算を超えた場合には、必要な対応を行いながら、発生した費用や販売方法を見直すために使います。
件数と金額を分ける理由
| 管理項目 | 設定例 | 目的 |
|---|---|---|
| クレームの件数 | 取引100件につき1件 | 発生頻度を把握し、必要に応じて販売の仕組みを点検する |
| クレームの損失金額 | 月間売上の5%以内 | 返送・キャンセルなどに伴う費用や損失を予算として管理する |
件数が少なくても、高額商品の問題が発生すれば損失が大きくなる場合があります。
反対に、件数が多くても、少額の商品の対応であれば、金額としての負担は小さい場合があります。
だからこそ、件数と金額を混ぜずに、それぞれ管理するわけです。
どちらも事業全体を確認するための数字として利用しましょう。
理不尽なクレームでも、あえて折れるという選択
購入者からのクレームには、出品者として納得しにくい内容もあると思います。
しかし、そこで何日もやり取りを続けることが、必ずしもよい結果につながるとは限りません。
例えば、少額の商品について、何度も取引メッセージを送り、対応に時間を費やす。
それよりも、早めにキャンセルを提案して、次の仕事に戻った方がよい場合があります。
そんなときは、あえて折れてしまう。
相手が正しいと認めるためではなく、自分の時間と気持ちを守るために折れる。
これも、ビジネスとして合理的な判断です。
しかも、クレームによる損失をあらかじめ必要経費として想定しておけば、対応のたびに損得を考え直す必要もありません。
もちろん、高額な取引、合意が難しい案件、不正が疑われる要求などは、メルカリ事務局に相談する方法もあります。
すべてを自分だけで解決しようとする必要はありません。
クレームが増えたときにだけ、仕組みを改善する
目の前のクレームが片付いたら、必要に応じて簡単に記録しておきましょう。
記録するのは、例えば次の程度で十分です。
- クレームの内容
- 返品・返金などの対応方法
- 発生した損失や費用
- 改善が必要だと分かった点
長い報告書を作る必要はありません。
あとから件数や金額を確認できれば十分です。
想定した範囲内なら、いつもどおりの方法で処理する。
想定以上に増えた場合や、同じ種類の問題が続いた場合には、その原因を確認して仕組みを改善します。
例えば、袖口の汚れを指摘されることが多ければ、商品点検の項目に袖口を追加する。
水濡れの連絡が続くなら、梱包方法を見直す。
サイズの食い違いが多ければ、採寸や説明の書き方を変更する。
こうして、必要な部分だけ改善していきます。
クレームの対応中は、解決することに集中する。仕組みの改善は、対応が終わってから。
その方が、無理なく続けられると思います。
メルカリの返品・返金・キャンセルは公式手続きで
ここまでご紹介したのは、出品者がクレームの解決方法を選ぶための考え方です。
実際の返品・返金・キャンセルは、メルカリの正式な手続きに従って行います。
返品してキャンセルする場合
購入者と対応内容について合意したら、返品方法や必要な送料負担を確認し、所定のキャンセル申請を行います。
返品が必要な場合は、購入者から商品を返送してもらい、出品者が受け取った後に、取引画面から受取確認を行います。
対象となるメルカリ便の取引では、条件に応じて匿名返品サービスを利用できる場合もあります。
返品せずにキャンセルする場合
双方が返品不要に合意した場合は、キャンセル申請で「返品しない」を選択します。
購入者が申請内容に同意するなど、メルカリの正式な手順に沿ってキャンセルを完了します。
一部返金で解決する場合
購入者が商品をそのまま使用したい場合などには、条件を満たせば一部返金を検討できることもあります。
通常のメルカリでは、双方が具体的な返金金額に合意するなどの条件のもと、事務局を介した一部返金が案内されています。
一部返金が適している場合は、公式ガイドをご確認ください。
困った場合は公式ガイドを確認する
商品に問題がある場合は、原則として受取評価を行う前に相談する必要があります。取引完了後は通常のキャンセルができないため、現在の取引状況も確認してください。
なお、メルカリShopsでは、通常のメルカリとはキャンセル操作が異なります。
メルカリShopsは、キャンセル後に取引メッセージを送信できなくなるため、返品の要否や方法などを事前に調整する必要があります。
よくある質問
Q.クレームが来たら、まず何をすればよいですか?
購入者からの連絡を確認し、商品の再販価値と返送費用をもとに、返品・返金または返品不要のキャンセルを検討しましょう。必要な情報がすでに届いていれば、改めて同じ説明を求める必要はありません。
Q.購入者の主張に納得できなくても、返金してよいですか?
双方が合意できるのであれば、早期解決のためにキャンセルを選ぶこともできます。相手の主張が正しいと認めることと、ビジネス上の判断で譲歩することは別です。
Q.返品不要の返金は、どんな商品に向いていますか?
利益が少なく、返送費用や再出品の手間に見合わない商品などです。ただし、商品の回収が必要な場合や、ほかに確認が必要な事情がある場合は、状況に合わせて判断してください。
Q.クレームで失った利益も必要経費として考えてよいですか?
経営上は、返品・キャンセルで利益が得られなくなる可能性も含めて、クレームによる負担をあらかじめ想定しておくと判断しやすくなります。ただし、実際の支出や会計上の経費とは分けて管理しましょう。
Q.クレームの件数と金額は、同じ基準で管理しますか?
いいえ。件数は発生頻度を把握するため、金額は対応による損失を管理するための基準です。それぞれ別々に決めます。
Q.梱包破損や水濡れの場合、詳しく確認するべきですか?
購入者の連絡を信頼して受け止め、解決方法を先に案内します。そのうえで、今後の梱包・発送方法の改善や配送事故の補償申請に必要な場合だけ、追加で確認しましょう。
まとめ|クレームは機械的に処理して、次の仕事へ
メルカリでクレームが発生したとき、毎回どう対応するかを最初から考える必要はありません。
購入者からの連絡を受け止め、商品の再販価値と対応にかかる費用によって、解決方法を決める。
再販する価値があれば返品・返金を提案する。
返送や再販の負担が大きければ、返品不要のキャンセルを提案する。
追加の確認は、今後の改善や必要な手続きのためだけに行う。
そして、クレームによる損失は、ビジネスを続けるうえでの必要経費として、あらかじめ想定しておきましょう。
クレームの件数と損失金額を別々に管理すれば、どの程度の負担が発生しているかも分かります。
想定した範囲内なら、決めた方法で処理する。
想定以上に増えたら、販売の仕組みを点検する。
クレームのコツは、考えないで機械的に決めること。
処理が終わったら、次の仕事へ。
クレーム対応に必要以上の時間や気持ちを使わず、これからも商品販売を続けていきましょう。
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記事更新:2026年10月。本文の「100件に1件」「月間売上の5%」は、クレーム対応ルールの設定例であり、平均発生率や推奨予算ではありません。実際の返品・返金・キャンセルは、メルカリの最新の公式ルールと適用される法律に従って進めてください。



