古着には、ミリタリージャケット、フリース、マウンテンパーカー、カーゴパンツなど、アウトドアスタイルと相性のよいアイテムがたくさんあります。
普段着として楽しむだけでなく、キャンプなどのアウトドアへ取り入れてみたいと考える方もいるでしょう。
ただし、ここで最初に知っておきたいことがあります。
「キャンプ」と「登山」では、服に求められる役割がかなり違います。
キャンプでは動きやすさや防寒性、汚れを気にせず使えることなどが重視されますが、登山では汗、雨、風、気温低下などへの対応が安全にも関わります。
そのため、「アウトドアっぽく見える服」なら何でも使えるわけではありません。
この記事では、古着を楽しみながら、キャンプと登山でどのように服を選べばよいのかを分けて解説します。

まず「キャンプ」と「登山」を分けて考えよう
どちらも自然の中で楽しむ活動ですが、服装を選ぶ基準は同じではありません。
キャンプ
キャンプでは、主に次のようなことを考えます。
- 朝晩の冷え込み
- 汚れやすさ
- 動きやすさ
- 焚き火や調理
- 急な雨
- 長時間屋外で過ごす快適性
車でキャンプ場まで行くようなスタイルなら、多少重い服でも大きな問題にならないことがあります。
登山
一方、登山では、
- 汗を素早く逃がす
- 雨を防ぐ
- 風を防ぐ
- 寒くなったときに保温する
- 暑くなったら脱いで調整する
- 長時間歩いても動きやすい
といった機能が重要になります。
特に標高が上がる登山では、出発時に晴れていても途中で天候や気温が変わることがあります。
街着やキャンプでは雰囲気を楽しめる古着でも、本格的な登山では十分な防水性・速乾性・保温性などを確認する必要があります。「アウトドアブランドだから大丈夫」とブランド名だけで判断しないことが大切です。
登山の服装は「レイヤリング」が基本
登山では、厚い服を1枚だけ着るのではなく、役割の異なる服を重ねて調整するレイヤリングが基本です。
一般的には、
- ベースレイヤー
- ミドルレイヤー
- アウターレイヤー
という3つの層を考えます。

1.ベースレイヤー|汗を肌から離す
肌に直接触れる一番下の服です。
登山では大量に汗をかくことがあるため、汗を吸って乾きやすい化学繊維やウール系の素材が利用されます。
綿のTシャツは普段着として快適ですが、汗や雨で濡れると乾くまで時間がかかるため、気温が低い山では注意が必要です。
2.ミドルレイヤー|体温を保つ
ベースレイヤーの上に着る中間着です。
代表的なのは、
- フリース
- 薄手の保温着
- 動きやすい中間着
などです。
気温や運動量に応じて脱いだり着たりして調整します。
3.アウターレイヤー|雨と風を防ぐ
一番外側に着る服です。
登山では雨や強い風から体を守るため、防水性・防風性を備えたレインウェアなどを携行します。
GORE-TEXはそのような防水透湿素材の一つですが、必ずGORE-TEXでなければならないわけではありません。
重要なのは、予定している山や天候に必要な性能を備えていることです。
古着のアウトドアウェアは登山でも使える?
古着店では、アウトドアブランドのジャケットやフリースを見つけることがあります。
街着やキャンプなら問題なく使えるものでも、登山用として考える場合は状態を詳しく確認してください。
特に確認したいのが防水ウェア
古いレインジャケットや防水シェルでは、外側がきれいでも内部の状態が劣化している場合があります。
確認したい部分は、
- シームテープが剥がれていないか
- 裏側のコーティングが傷んでいないか
- 生地が剥離していないか
- ファスナーが正常に動くか
- 破れや穴がないか
- 撥水状態に問題がないか
などです。
防水ウェアでは、縫い目から水が入らないようシームテープが使われています。
これが剥がれている場合、見た目がよくても本来の防水性能を期待できないことがあります。
適切な洗濯や撥水処理、修理によって使い続けられる製品もあります。購入前に年代だけで判断せず、生地・シームテープ・ファスナーなど現在の状態を確認しましょう。
キャンプなら古着を取り入れやすい
登山よりも古着を自由に取り入れやすいのがキャンプです。
例えば、
- フリースジャケット
- ミリタリージャケット
- ワークジャケット
- ネルシャツ
- カーゴパンツ
- ワークパンツ
などは、アウトドアらしい雰囲気を作りながら実用的に使える場合があります。
キャンプコーデの一例
- インナー:長袖Tシャツ
- 中間着:フリースやネルシャツ
- アウター:ワークジャケットやミリタリージャケット
- パンツ:カーゴパンツやワークパンツ
- 靴:歩きやすく滑りにくい靴


焚き火をするなら服の素材にも注意
キャンプで特に注意したいのが焚き火です。
フリースや軽量なアウトドアジャケットには化学繊維が使われているものが多く、火の粉や強い熱によって溶けたり穴が開いたりする可能性があります。
焚き火をするときは、
- 火に近づきすぎない
- 風向きを確認する
- 火の粉が飛ぶ場所を避ける
- 袖や裾を火へ近づけない
- 大切な高機能ウェアを焚き火用と兼用しない
といった点にも注意しましょう。
古着のワークジャケットなどを「焚き火で多少汚れても気にしない服」として活用するのも一つの考え方ですが、素材ごとの性質を確認して使用してください。
登山コーデは見た目より機能を優先する
登山では、「古着らしい雰囲気」より安全に行動できることを優先します。
基本的な組み合わせの一例
- ベース:吸汗速乾性のあるシャツ
- ミドル:フリースなどの保温着
- アウター:防水・防風性を備えたレインウェア
- パンツ:速乾性と動きやすさのあるパンツ
- 靴:予定するルートに適した登山靴・ハイキングシューズ


登山でデニムや綿素材をおすすめしにくい理由
街着では定番のデニムやコットンスウェットですが、気温が低くなる山での行動着としては注意が必要です。
綿は水分を含むと乾くまで時間がかかります。
汗や雨で濡れた状態に風が当たると、体温を奪われやすくなるためです。
そのため登山では、化学繊維やウールなど、濡れても乾きやすい素材が多く使われます。
ただし、平坦な公園の散策と標高の高い山では必要な装備がまったく違います。
「アウトドアではデニム禁止」と考えるのではなく、場所・天候・行動時間・濡れる可能性を考えて選ぶことが大切です。
アウトドア古着の靴は特に慎重に確認する
古着店ではトレッキングシューズやアウトドアブーツを見つけることもあります。
ただし、靴は服以上に状態確認が重要です。
チェックしたいのは、
- 靴底の減り
- ソールの剥がれ
- ひび割れ
- 左右の変形
- 縫い目
- 金具
- 靴紐
- 内部の傷み
などです。
特に登山用として使用する場合は、「見た目がきれいだから大丈夫」と判断せず、歩行に支障がない状態かを十分に確認してください。
アウトドア古着を買う前のチェックリスト
アウトドア用途で古着を購入する場合は、次の順番で確認すると判断しやすくなります。
- 何に使うのか決める
街着、キャンプ、ハイキング、登山では必要な性能が異なります。 - 素材を確認する
綿、ウール、フリース、ナイロンなど、素材によって性質が違います。 - 実寸を確認する
重ね着するなら、中に着る服を含めてサイズを考えます。 - ファスナーやボタンを確認する
アウトドアでは頻繁に開閉する部分なので実際に動かして確認します。 - 防水ウェアは内側を見る
シームテープ、コーティング、生地の剥離などを確認します。 - 靴はソールまで確認する
表面だけではなく、靴底や接着部分も見ます。 - 用途に必要な性能が残っているか考える
古着として魅力的でも、安全装備として適さない場合があります。
古着と新品を組み合わせてもいい
アウトドアコーデだからといって、すべてを古着でそろえる必要はありません。
例えばキャンプなら、
- 古着のワークジャケット+普段使っているパンツ
- 古着のフリース+新品のシューズ
- 古着のカーゴパンツ+機能性インナー
という組み合わせでも楽しめます。
登山ならさらに、
- 肌着は機能性を優先
- 雨具は性能を確認したもの
- 靴は安全性を優先
- 条件を満たす古着だけを組み込む
という考え方が適しています。
古着か新品かではなく、その場所で必要な役割を果たせるかで選びましょう。
出発前には服装以外も確認する
登山では服装だけを整えても十分ではありません。
出発前には、
- 天気予報
- 気温
- 風
- ルート
- 所要時間
- 日没時刻
- 必要な飲料・食料
- 雨具や防寒着
- 通信手段
なども確認しましょう。
山では携帯電話が圏外になる場所もあるため、スマートフォンだけを前提にしない準備も必要です。
まとめ|古着はアウトドアでも楽しめる。ただし用途を分けて選ぼう
フリース、ミリタリージャケット、カーゴパンツ、マウンテンジャケットなど、古着にはアウトドアスタイルに取り入れやすいアイテムがたくさんあります。
ただし、重要なのは「アウトドア」という言葉ですべてを一括りにしないことです。
キャンプなら、
- 動きやすさ
- 防寒
- 汚れへの強さ
- 焚き火との距離
を考えます。
登山なら、
- 汗を逃がす
- 濡れても乾きやすい
- 雨を防ぐ
- 風を防ぐ
- 寒さに対応する
- 重ね着で調整できる
といった機能をより重視します。
そして古着のアウトドアウェアを使う場合は、ブランド名や見た目だけではなく、現在の状態まで確認しましょう。
古着には、現在では見かけにくい色、デザイン、素材感を楽しめる魅力があります。
安全に必要な部分では機能を優先しながら、自分らしいアウトドアスタイルの中へ古着を取り入れてみてください。
参考情報
※掲載画像はアウトドアコーディネートのイメージです。実在の人物や特定の場所を紹介するものではありません。実際の登山・キャンプでは、行き先・季節・天候・標高・活動内容に合わせて必要な装備を確認してください。
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