ブルックス ブラザーズ(Brooks Brothers)の服やタグを見ると、リボンのようなものから動物が吊り下げられた、少し不思議なロゴを目にします。
初めて見ると、
- これは何の動物?
- なぜ吊るされているの?
- 豚に見えるけれど本当は何?
- 古いヨーロッパの紋章?
と疑問に思う方もいるでしょう。
このロゴの正体は豚ではありません。
「ゴールデン フリース(Golden Fleece/金羊毛)」と呼ばれる、リボンで吊り下げられた羊を表したシンボルです。
しかも、単に「羊毛を扱うブランドだから羊にした」というだけではありません。
その背景をたどると、ヨーロッパの毛織物文化から、1818年にニューヨークで誕生したブルックス ブラザーズ、そして現在のアメリカントラッドへとつながっていきます。
この記事では、ブルックス ブラザーズのロゴの意味と由来を中心に、ブランドの歴史、代表的なボタンダウンシャツ、そして古着としてブルックス ブラザーズを見るときのポイントまで解説します。
ブルックスブラザーズのロゴの正体は「ゴールデンフリース」

ブルックス ブラザーズを象徴するロゴは、ゴールデン フリース(金羊毛)と呼ばれています。
描かれているのは、リボンから吊り下げられた羊です。
独特な形なので「豚が吊るされているように見える」と感じる方もいるかもしれませんが、公式のブランド史でも「リボンで吊るされた子羊のマーク」と説明されています。
なぜ羊が吊るされているの?
現代の感覚では、羊を吊るした姿をブランドマークにするのは少し不思議に感じます。
このデザインは、ブルックス ブラザーズが独自に考案したものではありません。
ブルックス ブラザーズ公式のブランド史によると、リボンで吊るされた羊は、ヨーロッパで古くから上質な羊毛や毛織物を表すシンボルとして使われていました。
その背景には、15世紀にブルゴーニュ公フィリップ善良公が創設した「金羊毛騎士団(Order of the Golden Fleece)」があります。
その後、ゴールデンフリースの意匠はヨーロッパの毛織物商にも利用されるようになりました。
当時は現在のように誰もが文字を読めたわけではないため、店が何を扱っているのかを伝える視覚的な印としても役立ったと、ブルックス ブラザーズの公式ブランド史では説明されています。
豚ではなく羊です。「ゴールデン フリース(金羊毛)」と呼ばれ、ヨーロッパの毛織物文化と結びついた歴史的なシンボルをブルックス ブラザーズが受け継いでいます。
ブルックスブラザーズの創業は1818年、ロゴ採用は1850年
ここは、ブルックス ブラザーズの歴史を知るうえで重要なポイントです。
ブランドの創業とゴールデンフリースのロゴ採用は同じ年ではありません。
ブルックス ブラザーズの歴史は、1818年4月7日にヘンリー・サンズ・ブルックスがニューヨークで「H. & D.H. Brooks & Co.」を開いたことから始まります。
その後、1849年には既製スーツを販売。
そして1850年にゴールデンフリースが会社の商標として採用され、ヘンリーの息子たちによって社名も「Brooks Brothers」へ改められました。
簡単に年代を整理すると
| 年代 | ブルックス ブラザーズの主な出来事 |
|---|---|
| 1818年 | ヘンリー・サンズ・ブルックスがニューヨークで創業 |
| 1849年 | 既製スーツを販売 |
| 1850年 | ゴールデンフリースを商標として採用し、Brooks Brothersへ社名変更 |
| 1896年 | ジョン・E・ブルックスが英国のポロ競技からボタンダウンカラーの着想を得る |
| 1900年 | 米国公式資料ではボタンダウンカラーシャツを製品として導入 |
200年以上続くブランドの歴史の中で、ゴールデンフリースは170年以上にわたってブルックス ブラザーズを象徴してきたことになります。
ロゴだけではない|ブルックスブラザーズがアメリカ服に残したもの
ブルックス ブラザーズがおもしろいのは、単に歴史が長いブランドだからではありません。
現在では当たり前になった服装にも、同社の歴史につながるものがあります。
代表的なのがボタンダウンカラーシャツです。
ボタンダウンシャツはポロ競技から生まれた
創業者の孫にあたるジョン・E・ブルックスは、1896年にイングランドでポロ競技を観戦しました。
その際、選手たちが競技中に襟が風でばたつかないよう、襟先をボタンで留めていることに気づきます。
そのアイデアをシャツへ取り入れたものが、後にブルックス ブラザーズを代表するOriginal Polo Button-Downへと発展しました。
米国公式サイトでは、1900年にボタンダウンカラーを導入したと説明されています。
現在ではごく普通に見かけるボタンダウンシャツですが、そのルーツをたどるとスポーツウェアの実用的な工夫に行き着くわけです。
「ポロシャツ」と「ポロカラー」は別物
ここも混同しやすい部分です。
ブルックス ブラザーズが「Polo Collar」と呼んだのは、現在一般的にいうボタンダウンカラーです。
現在「ポロシャツ」と呼ばれている半袖のニットシャツとは別のものなので、古いブルックス ブラザーズの資料を見る際には注意しましょう。
ゴールデンフリースのロゴがある=ヴィンテージではない
古着好きの方にとって、ここは特に重要です。
ゴールデンフリースは歴史のあるロゴですが、現在の商品にも普通に使用されています。
そのため、古着屋で胸元やタグにゴールデンフリースを見つけても、
「このロゴだから古い」
と判断することはできません。
現在のブルックス ブラザーズ ジャパンの商品でも「GF(ゴールデン フリース)ロゴ」という名称で刺繍が使用されています。
ロゴはブランドを確認する重要な手掛かりですが、年代判別とは分けて考えましょう。
古着のブルックスブラザーズを見るときはどこを確認する?
古着店やフリマアプリでブルックス ブラザーズを探す場合、ロゴだけを見るのではなく、商品全体を確認します。
1.ブランドタグ
まず首元や内側のブランドタグを確認します。
ただし、タグのデザインだけを見て年代を断定するのは避けたほうがよいでしょう。
同じブランドでも、ライン、商品、製造時期などによって表示が異なる場合があります。
2.品質表示タグ
内側の品質表示には、
- 素材
- 生産国
- 洗濯表示
- 品番などの表示
が記載されている場合があります。
年代や商品の情報を調べるときには、表側のロゴだけでなく、こうした内側の情報も確認します。
3.実寸サイズ
ブルックス ブラザーズに限らず、古着は表記サイズだけで判断しないことが重要です。
特にシャツなら、
- 着丈
- 身幅
- 肩幅
- 袖丈
- 首回り
などを確認すると、自分の服と比較しやすくなります。
現在の日本公式サイトでも、一部のRegular Fit商品についてアメリカサイズで日本規格より大きめと案内されています。
古着の場合はさらに年代やモデルによってシルエットが異なるため、実寸を見るのが確実です。
4.シャツなら襟と袖口を見る
ブルックス ブラザーズの古着シャツでは、デザインだけでなく、使用による傷みも確認しましょう。
特に、
- 襟の内側
- 袖口
- 脇
- ボタン
- 裾
は使用感が出やすい部分です。
オンライン購入なら、該当部分の写真が掲載されているか確認しておくと安心です。
5.ジャケットやスーツは裏側も確認
ジャケットやスーツでは、表面だけではなく、
- 裏地
- 袖口
- 襟
- ポケット
- ボタン
- 虫食いや小穴
- 補修跡
なども確認します。
ウール製品では、表から見えにくい小さな虫食いが見つかることもあります。
ゴールデンフリースは現在も使われているブランドシンボルです。古着を詳しく調べる場合は、ブランドタグ、品質表示、生産国、縫製、ディテール、実寸など複数の情報を合わせて確認しましょう。
ブルックスブラザーズの古着で探しやすい代表アイテム
ブルックス ブラザーズにはスーツからカジュアルウェアまで幅広い商品があります。
古着で初めて探すなら、次のようなアイテムから見るとブランドの特徴をつかみやすくなります。
ボタンダウンシャツ
ブルックス ブラザーズを代表するアイテムの一つです。
オックスフォード生地のものをはじめ、無地、ストライプ、チェックなど多くのバリエーションがあります。
デニムやチノパンに合わせればカジュアルに、ジャケットの下に合わせればきれいめにも着られるため、古着としても日常に取り入れやすいアイテムです。
テーラードジャケット・ブレザー
アメリカントラッドらしいスタイルを楽しみたい場合に探したいアイテムです。
古着の場合は肩幅や身幅だけでなく、袖丈と着丈も確認しましょう。
体型に合わない場合、お直しに費用がかかる可能性もあります。
ニット・カーディガン
比較的普段着へ取り入れやすいアイテムです。
ウールなどの天然素材の場合は、虫食い、縮み、袖口の伸びなども確認します。
ネクタイ
ブルックス ブラザーズの歴史を比較的手軽に楽しめるアイテムです。
古着では、大剣先の擦れ、シミ、裏側の縫い目などを確認するとよいでしょう。

ブルックスブラザーズは新品と古着、どちらを選ぶ?
どちらが優れているというものではなく、目的によって選び方が変わります。
新品が向いている場合
- 現在のサイズやフィットから選びたい
- 仕事用のスーツやシャツを確実にそろえたい
- 店舗でサイズについて相談したい
- 現行の商品やデザインが欲しい
新品はブルックス ブラザーズ公式オンラインストアや店舗で確認できます。
古着が向いている場合
- 現在とは違うシルエットを探したい
- 過去の柄や生地を楽しみたい
- アメリカントラッドを古着で取り入れたい
- 一着ずつ違う服を探す過程も楽しみたい
古着では、同じブランド名でも年代、サイズ、素材、状態が一着ずつ違います。
そこを比較しながら自分に合うものを探すこと自体が楽しみになります。
ロゴを知ると古着を見る楽しみが増える
古着店で何気なく見ていたタグや刺繍も、その意味を知ると見え方が変わります。
ブルックス ブラザーズの場合、胸元にある羊のマークから、
- ヨーロッパの毛織物文化
- 1850年の商標採用
- 200年以上続くブランドの歴史
- アメリカントラッドの発展
までつながっています。
そしてブルックス ブラザーズの歴史をもう少し調べれば、現在では普通になったボタンダウンシャツにもブランドの物語があることが分かります。
ブランド名だけではなく、その服が生まれた理由や時代背景を知ることも、古着のおもしろさの一つです。

ブルックスブラザーズのロゴについてよくある疑問
Q.ロゴの動物は豚ですか?
いいえ。羊です。
正式には「ゴールデン フリース(金羊毛)」と呼ばれるシンボルです。
Q.なぜ羊を吊るしているのですか?
ゴールデンフリースはヨーロッパで古くからファインウールや毛織物と結びついてきた歴史的な意匠です。
ブルックス ブラザーズも当時の毛織物業界の伝統にならって、このシンボルを採用しました。
Q.ロゴは1818年から使われていますか?
いいえ。
ブルックス ブラザーズの創業は1818年ですが、公式ブランド史によるとゴールデンフリースを会社の商標として採用したのは1850年です。
Q.GFロゴの「GF」とは何ですか?
Golden Fleeceの頭文字です。
現在のブルックス ブラザーズ ジャパンの商品説明でも「GF(ゴールデン フリース)ロゴ」という表記が使用されています。
Q.ゴールデンフリースのロゴがあれば古着ですか?
いいえ。
ゴールデンフリースは現在の商品にも使われています。ロゴだけで製造年代を判断することはできません。
Q.ブルックスブラザーズがボタンダウンを作ったのですか?
ブルックス ブラザーズ公式によると、ジョン・E・ブルックスが1896年に英国のポロ競技から着想を得て、1900年にボタンダウンカラーシャツを導入したとされています。
まとめ|不思議な羊のロゴには170年以上の歴史がある
ブルックス ブラザーズのロゴに描かれているのは、豚ではなくゴールデン フリース(金羊毛)と呼ばれる羊です。
その由来はヨーロッパの毛織物文化までさかのぼります。
ブルックス ブラザーズは1818年にニューヨークで創業し、1850年にゴールデンフリースを会社の商標として採用しました。
つまり、あの小さな羊のマークには170年以上にわたるブルックス ブラザーズの歴史が重なっています。
そしてブランドの歴史をたどると、ボタンダウンカラーシャツをはじめ、現在のアメリカンスタイルにつながるさまざまな服が見えてきます。
次に古着屋でブルックス ブラザーズを見つけたら、まずタグや胸元のゴールデンフリースを見てみてください。
そのうえで、
- どんなアイテムなのか
- どんな素材なのか
- 実寸は自分に合うか
- どのような状態なのか
- いつ頃のものなのか
まで見ていくと、一着の服をさらに深く楽しめるようになります。
参考情報
- BROOKS BROTHERS JAPAN「200 YEARS OF AMERICAN STYLE」
- Brooks Brothers「200 Years of American Style」
- Brooks Brothers「Celebrating 125 Years of the Button-Down Collar Shirt」
※ブランドの沿革・ロゴの由来については、Brooks BrothersおよびBROOKS BROTHERS JAPANの公式資料を基準に記載しています。古着の年代判別については、ロゴやタグ一つだけでは断定できないため、複数の情報を確認してください。
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