現行と古着でまったく違う——マクレガーというブランド
現行のマクレガーといえば、きれいめアメカジ、いわば“アメトラ”を思わせる洗練されたアイテムを展開しているブランド。
ニューヨーク発のブランドらしく、スマートで都会的な印象が強いですよね。
しかし、古着としてのマクレガーはその真逆。
「男くさいアメカジ」 を感じさせる、無骨でタフなイメージが魅力です。
特にそのイメージを決定づけたのが、ブランドの代表作ともいえる ドリズラージャケット。
古着好きの間では、マクレガー=ドリズラーといっても過言ではありません。
ここからは、古着としてのマクレガーの魅力を詳しく掘り下げていきます。
マクレガーとは
マクレガーは 1921年創業のアメリカ発ファッションブランド。
約100年の歴史を持ち、アメリカのアパレル史でも長く愛されてきた老舗です。
創業者デビッド・ドニガーはイギリス出身で、スコットランドの氏族「MacGregor家」の
- タータンチェック
- 王冠
- 紋章
といった意匠をモチーフにしたアイテムを多く手がけました。
ブランドを象徴するドリズラージャケット
マクレガーを語るうえで欠かせないのが ドリズラージャケット(DRIZZLER)。
“DRIZZLE=霧雨・小雨” が語源で、その名の通り
スポーツ時の小雨に対応するアウター として誕生しました。
特にゴルフシーンで活躍し、
- 動きやすいパターン
- 軽快な着心地
- 風を通しにくい適度なハリ
など、実際に着てみると スポーツウェアならではの快適さ が際立ちます。
この機能性と無骨さが、古着としてのマクレガーの“男らしいアメカジ”のイメージにつながっています。

古着としてのマクレガーを深掘りする
現行は“きれいめアメトラ”。しかし古着は“男くさいアメカジ”。
現行のマクレガーといえば、都会的でスマートなアメトラ寄りのブランドイメージ。
ですが古着としてのマクレガーはその真逆で、無骨で男らしいアメカジブランド として認識されています。
このイメージを決定づけたのが、ブランドを代表する ドリズラージャケット(DRIZZLER) です。
ここからは、古着としてのマクレガーを楽しむために欠かせない “年代判別・名作ディテール・映画の影響” をまとめて紹介します。
■ ドリズラージャケットとは?
“DRIZZLE=霧雨・小雨” が語源。
もともとは スポーツ時の小雨対策アウター として誕生し、特にゴルフシーンで愛用されました。
- 軽い
- 動きやすい
- 風を通しにくい
- コンパクトシルエットで野暮ったくない
という特徴から、1950年代〜60年代のアメリカで一躍人気に。
■ ① ドリズラーの年代判別ポイント
古着市場では、ドリズラーの年代は以下のディテールで判別できます。
1950s–60s(最初期〜黄金期)
- TALON・CONMARなどの金属ジッパー
- コットン/ナイロン混の肉厚生地
- 裏地に赤×黒チェック(後述の名作)
- ショート丈でややタイト
1970s
- プラスチックジップへ移行
- 生地が軽量化
- 赤×黒チェックは継続するが柄が細かくなる
- 身幅がやや広めになる
1980s〜1990s
- ナイロンが主流
- タグ表記が現代的に
- 全体的に大きめシルエットへ
- 裏地のチェック柄が簡略化される
■ 名作「赤×黒チェック裏地」について
古着のマクレガーを象徴するのが、
“赤×黒チェック裏地”。
これは50〜60年代のドリズラージャケットのアイコンで、
多くの古着ファンが“赤黒チェックを探す理由”にもなっている超名作です。
- ジャケットを脱いだときに映える
- 当時のアメリカらしさを象徴する
- マクレガーの歴史を物語るディテール
という理由から、現在でも人気が非常に高い“通好みの特徴”です。
■ 現行マクレガーとの比較表
| 項目 | 古着マクレガー(1950〜90s) | 現行マクレガー |
|---|---|---|
| イメージ | 男くさいアメカジ・不良っぽい | 綺麗めアメカジ・アメトラ |
| シルエット | コンパクト〜細身(年代により異なる) | 現代的に整えられた上品なライン |
| 代表アイテム | ドリズラージャケット | トラッド寄りのジャケット・ニット |
| 裏地 | 赤×黒チェックが名作 | シンプルで落ち着いた裏地 |
| 生地 | コットン/ナイロン混・ザラついた質感 | 滑らかで清潔感のある素材 |
| 市場価値 | 古着として高騰中 | 比較的手に入りやすい |
この違いを知ると、同じ「McGREGOR」ブランドでも古着がまったく別物に見えてきます。
■ ② 映画による影響
ドリズラー人気を決定づけたのは“ジェームズ・ディーン”
1955年公開の映画 『理由なき反抗(Rebel Without a Cause)』。
主人公ジムを演じたジェームズ・ディーンが、真っ赤なジャケット(※後述)が強烈な印象を残し、
この映画をきっかけに “アメカジ=不良の象徴” というイメージが一気に広まりました。
- 真っ赤なジャケット
- Leeのデニム
- シンプルなのに色気のある着こなし
古着好きにはたまらない、完璧なアメリカンスタイルです。
■ 実は映画で着ていたのは「ドリズラー」ではなかった?
古着界では有名な話ですが、
ジェームズ・ディーンが着ていたのは ドリズラージャケットではありません。
正確には…
👉 「ナイロン・アンチフリーズ(Nylon Anti-Freeze)」という別モデル。
ドリズラーの代名詞である
- 襟の形状
- 袖口の仕様
- 裏地のチェック
などの特徴がないため、厳密には別モデルなのです。
それでも映画の影響力は絶大で、
「赤いドリズラー=ジェームズ・ディーン」というイメージが強く定着し、
古着の世界では “男くさいアメカジの象徴” として語り継がれています。

まとめ:古着のマクレガーは“歴史を着る”楽しさがある
- 赤黒チェック裏地
- ジッパーやタグで分かる年代判別
- ドリズラーのルーツ
- 映画による世界的ブーム
これらを知るほど、古着のマクレガーは奥深く、魅力が増していきます。
映画と古着をセットで楽しめるのもマクレガーの面白さ。
ドリズラーを見つけたら、ぜひ裏地やジップの刻印をチェックして“年代のロマン”を味わってみてください。
ライター:結うすけ
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