紳士的でクラシック。
それでいて、雨や風にも強い。
トレンチコートは「定番」と呼ばれる服の中でも、背景(軍・雨具・生地技術)がはっきりしていて、ディテールの意味を知るほど面白くなるアイテムです。
この記事では、世界で語られやすい“名品”を4つに絞り、
歴史/作りの違い/見分けポイント/古着での選び方まで、まとめます。
まず押さえたい:トレンチコートは「軍用の実用品」から進化した
トレンチコートは第一次世界大戦期に、重い軍用コートの代替として普及し、エポレット(肩章)やDリングなどの装備的ディテールが追加された、とされています。
(※起源については Burberry と Aquascutum がそれぞれ起源を主張する、という整理が一般的です。)
ディテールの意味(古着で超重要)
- エポレット:階級章などを付ける用途
- Dリング:装備品をベルトに吊るす用途とされる(諸説あり)
- ストームフラップ/ガンフラップ:雨水の侵入を抑える意匠
- ベルト:フィット調整+装備性(クラシックな“道具感”の中心)
この「道具としての必然」があるから、今も古びにくいです。
Burberry(ロング チェルシー ヘリテージ トレンチ)

“トレンチの代名詞”として最も名前が挙がりやすいのがバーバリー。
生地の核は **ギャバジン(gabardine)**で、ブランド公式の説明でも、1879年にトーマス・バーバリーが発明した“通気性のある耐候素材”として位置づけられています。
バーバリー トレンチコート
代表モデルとして紹介されやすい「Chelsea(チェルシー)」
バーバリー公式の製品ページでは、Long Chelsea Heritage Trench Coatが展開されています(スリム寄りのフィット感として記載)。
見分けのポイント(古着目線)
定番ディテールが“教科書通り”:肩章、フラップ、ベルトなど
ギャバジンの密度感(ハリがあり、雨に強い方向性)
製造背景:ヘリテージ・トレンチは英国ヨークシャー(Castleford)での製造継続が公式に語られています
Aquascutum(キングスゲート)

Aquascutumは1851年創業で、創業者が防水ウールを開発し特許化した、という説明が広く流通しています(“Aquascutum=水の盾”)。
また、ブランド側(日本公式ブログ)でも歴史の語りがあります。
「KINGSGATE(キングスゲート)」の位置づけ
日本公式の掲載で **KINGSGATE SLIM(メイドインUK)**が確認できます。素材や原産国表記も掲載されています。
(※同名の加工系モデル “CUSTOM KINGSGATE” も存在するため、古着ではタグと仕様の照合が重要です。 )
見分けのポイント(古着目線)
タグに KINGSGATE 表記/原産国表記の確認が第一
バーバリーより“クラシックで太め”に感じる個体が多い(※これは傾向であり、型や年代で変わります)
MACKINTOSH(マッキントッシュ)

“雨に強いコート”の文脈で必ず出てくるのがMACKINTOSH。
防水生地の源流として、1823年にチャールズ・マッキントッシュが開発したゴム引き(rubberised)技術が、博物館・公的系の解説でも確認できます。
公式が語る「素材の幅」と「トレンチの要点」
公式コレクション説明では、撥水ギャバジン/シグネチャーのラバーライズド(ゴム引き)コットンなどを挙げ、トレンチの典型ディテール(エポレット等)も明記しています。
また製品ページで、Rubberised bonded cotton/ハンドテープシーム/防水など“機能の言語化”が見えます。
見分けのポイント(古着目線)
雨具としての設計思想が強い
ゴム引き特有の質感(硬さ、重さ、経年のクセ)
シーム(縫い目)処理がきれいかどうか
HYKE(ハイク)

番外編として日本から。
HYKEのトレンチは、クラシック(軍由来)を踏まえた上で、現代のパターンと素材感に落とし込むタイプです。
公式商品ページで TRENCH COAT / REGULAR FIT(素材構成や価格表示)を確認できます。
加えて、取扱店の説明では オフィサー用トレンチ由来のインスピレーションや、チンストラップ等のディテールが明記されています。
見分けのポイント(古着目線)
タグの品番・素材表示が明確で、真贋・型特定がしやすい
**ミリタリー由来の要素(チンストラップ等)**を残しつつ、シルエットは現代的
古着で失敗しない:チェック項目(最短)
トレンチは「同じ見た目」でも差が出ます。古着はここだけ見れば事故率が下がります。
- サイズ感(肩・袖):肩線が合わないと一気に古く見える
- ベルト欠品:欠品率が高い。購入前に必ず確認
- 袖口・裾のスレ:トレンチは擦れる場所が決まっている
- ボタン/バックル/Dリング:交換歴があると雰囲気が変わる
- 素材の状態
- バーバリー系:ギャバジンのハリとテカり
- マッキントッシュ系:ゴム引きの劣化(ベタつき・硬化・剥離)
どれを選ぶ?4ブランドの選び分け(結論)
- 王道を1着:Burberry(Chelsea)
- 英国の老舗で“作りとバランス”:Aquascutum(KINGSGATE)
- 雨具の思想を最優先:MACKINTOSH(ゴム引き系)
- 現代のシルエットで都会的に:HYKE
さいごに:名品は「新品」より「古着」が強いことがある
トレンチは、ディテールと素材が主役です。
だからこそ古着で“条件が揃った個体”に当たると、コスパがひっくり返ります。
「初めての一着」なら、
まずは 欠品の少ない定番ディテールを選ぶ。
そこから、素材や年代で遊ぶ。
この順番がいちばん強いです。
ライター:shotaro0206
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