本ページは、古着サイズ感自動判定ツールが用いる 算出ロジック/基準表/異常検知ルール/適用範囲/免責を公開し、透明性を担保するための技術文書です。
対象:店舗スタッフ・出品担当者・B2B卸先・購入検討者
1. 前提と基本思想
- 実測優先:タグ不明・経年変化(縮み/伸び)・ブランド/年代差を前提に、平置き実測を基準とします。
- “サイズ感”の推定:表示サイズではなく、日本サイズ(S/M/L・号数)目安を算出します。
- イーズ(ゆとり)補正:素材区分/伸縮度/フィット感に応じてゆとりを控除し、推定ヌード寸法を求めます。
- 透明性:判定に用いた基準表・計算式・範囲外の扱い・異常検知ルールを公開します。
2. 適用範囲
- 上物(トップス・アウター・ワンピース)
- レディース:5~21号相当(推定ヌード胸囲 77~110cm 目安)
- メンズ:S~3XL相当(推定ヌード胸囲 80~128cm 目安)
- ボトムス(パンツ・スカート)
- レディース:ウエスト 58~85cm を中心とした号数帯
- メンズ:S~XL相当(推定ヌードウエストの目安は S:~78 / M:79–85 / L:86–93 / XL:94~)
範囲外の出力方針:「○○未満/○○以上」に加え、【ツール適用範囲外のサイズです。】を併記。
- レディースで小さすぎ → ジュニアの可能性
- メンズで小さすぎ → ジュニア/レディスの可能性
- レディースで大きすぎ → メンズの可能性
- メンズで大きすぎ → (範囲外のみ明示)
3. 計測と入力
- 上物:身幅(必須)、肩幅、着丈、袖丈(任意)
- ボトムス:ウエスト(周計・必須)、ヒップ、股上、股下、わたり、裾幅(任意)
- 推奨誤差許容:±1.0cm(ツール内で設定可能)
4. 算出ロジック
4.1 上物(身幅→胸囲→推定ヌード胸囲)
- 胸囲換算: 胸回り(cm) = 2 × 身幅(cm)
- イーズ控除: 素材・伸縮・フィットに応じたイーズ中央値を差し引き、推定ヌード胸囲を得ます。
区分 タイト 標準 ゆったり 布帛トップス 6–10(中央値8) 10–14(中央値12) 14–20(中央値17) ニット/カットソー 2–6(中央値4) 6–10(中央値8) 10–16(中央値13) アウター 10–14(中央値12) 14–20(中央値17) 20–28(中央値24) - 伸縮度補正(胸囲のみ): なし 0 / 弱 -1 / 中 -2 / 強 -4(cm)
推定ヌード胸囲 = 胸回り − (イーズ中央値 + 伸縮補正)
サイズマッピング(日本サイズ帯):
- メンズ上物:S(80–88)/M(88–96)/L(96–104)/XL(104–112)/XXL(112–120)/3XL(120–128)
- レディース上物(推定ヌード胸囲):5(77–80)/7(80–83)/9(83–86)/11(86–89)/13(89–92)/15(92–96)/17(96–100)/19(100–104)/21(104–110)
境界帯の扱い(±誤差許容 既定 1.0cm): 境界付近では「A~B相当(参考)」と表示します。
同一サイズの重複(例:13号~13号)は自動的に「13号相当(参考)」へ正規化します。
4.2 ボトムス(ウエスト→推定ヌードウエスト)
- イーズ控除(布帛想定/伸縮補正なし): タイト:中央値0 / 標準:中央値1.5 / ゆったり:中央値3.5
推定ヌードウエスト = 実測ウエスト − イーズ中央値
サイズマッピング:
- レディースウエスト(号数):5(58–61)/7(61–64)/9(64–67)/11(67–70)/13(70–73)/15(73–76)/17(76–79)/19(79–82)/21(82–85)
- メンズ(S/M/L/XL目安):S(~78)/M(79–85)/L(86–93)/XL(94~)
境界帯の扱いは上物と同様(±誤差許容)。
同一サイズの重複は単一に正規化します。
5. 異常検知(v1.3.0)
サイズクラス(例:レディス9~11号/メンズM~L)を推定後、各実測が期待レンジを超過した場合に注記を付与します。サイズ判定は身幅/ウエスト基準を維持し、異常検知は補足説明です。
5.1 トップス:肩幅/袖丈/着丈バランス
- 期待レンジ例(メンズ): 肩幅 S 42–46 / M 44–48 / L 46–50 / XL 48–52 / XXL 50–54 / 3XL 52–56(cm)
袖丈 S 58–62 / M 60–64 / L 61–65 / XL 62–66 / XXL 63–67 / 3XL 64–68(cm) - 期待レンジ例(レディス): 肩幅 5号 35–38 … 21号 43–46 / 袖丈 5号 55–59 … 21号 63–67(号数に応じて順次+1)
- 超過時の注記(±1cm緩衝):
- 肩幅が上限超 → 「肩幅が広め(ドロップショルダー傾向)」
- 肩幅が下限未満 → 「肩幅が狭め(構築的シルエット)」
- 袖丈が上限超 → 「袖丈が長めの設計です。」
- 袖丈が下限未満 → 「袖丈が短めの設計です。」
- 着丈バランス(参考): 着丈/身幅 < 1.10 → 「着丈がやや短め(コンパクト)」/ 着丈/身幅 > 1.35 → 「着丈がやや長め(縦長シルエット)」
5.2 ボトムス:ヒップ差/股下/股上/わたり/裾幅
- ヒップ差(ヒップ−ウエスト) < 8cm → 「ヒップが細め(タイト傾向)」 / > 25cm → 「ヒップがゆったりめ(リラックス傾向)」
- 股下 < 65cm → 「短め」 / > 85cm → 「長め」
- 股上 < 22cm → 「浅め(ローライズ)」 / > 30cm → 「深め(ハイライズ)」
- わたり < 27cm → 「細め(テーパード/スリム傾向)」 / > 34cm → 「太め(ワイド/リラックス傾向)」
- 裾幅 < 16cm → 「強テーパード傾向」 / > 24cm → 「ワイド傾向」
6. 使い方(手順)
- カテゴリ/性別/素材/伸縮/フィット/誤差許容を選択します。
- 実測値(身幅やウエスト等)を入力します。
- 「サイズ目安を生成」をクリックします。
日本サイズ換算・根拠・免責文が自動生成され、ワンクリックコピーが可能です。
ツール本体:古着サイズ感自動判定ツール
7. どんな時に有効か(活用事例)
- タグ不明/表記と実寸が違う: 経年劣化や縮み・伸びが疑われるケースで、実測から日本サイズを示せます。
- 海外表記の換算: US/EU表記の古着を、日本サイズ(号数/S/M/L)で提示できます。
- 出品時の信頼性向上: 根拠・免責つきで表示でき、クレーム/返品リスクを低減。
- 在庫の規格化: 実測をCSV化すれば、仕入基準の見直しやB2B卸時の説明にも活用可能。
- シルエット注記: 異常検知により「肩幅広め」「股上深め」などの補助説明を自動化。
8. 商品説明テンプレート
【サイズ感の参考】(カテゴリ/性別)
本商品の日本サイズ感が不明のため、当方で平置き実測を行い、独自の基準に基づき日本サイズの推定目安(参考)を算出しています。
着用感には個人差がありますので、お手持ちの衣類の実測と比較のうえご検討ください。
・日本サイズ目安(参考):○○相当(参考)
(境界時は ○○~○○相当(参考)/同一サイズの重複は単一表示)
・実測(平置き):…(±1cm)
・素材/伸縮:…(素材区分:布帛 or ニット)
・算出の根拠:実測ウエスト70cm。フィットに応じたイーズ 1.5cm を差し引き、推定ヌードウエスト ≒ 68.5cm。
・基準と計算方法(公開):このページのURL
【範囲外・異常検知の例】
・【ツール適用範囲外のサイズです。】
・袖丈が長めの設計です/肩幅が狭め(構築的シルエット)です など
【ご注意(免責)】
– 本表示は実測値からの参考目安です。
– ブランド/年代差、縮み・伸び、着用者の体格・好みにより体感差が生じます。
– サイズ感がご不安な場合は、お手持ちの衣類の実測と比較してください。
作成日:YYYY-MM-DD / 基準:v1.3.0(このページのURL) / 信頼性区分:中
9. FAQ
Q. 肩幅を変えてもサイズが変わらないのはなぜ?
A. サイズクラス判定は身幅(胸囲換算)/ウエストを基準に行います。肩幅・袖丈は異常検知で注記します。
Q. 伸縮強めのニットは?
A. 伸縮補正(-1/-2/-4cm)によりイーズ控除を小さくし、ヌード寸法を大きめに見積もります(胸囲のみ適用)。
Q. 範囲外の扱いは?
A. 「未満/以上」+【ツール適用範囲外】を自動表示し、条件によりジュニア/レディス/メンズの可能性を示します。
10. 免責・更新方針
- 本基準は販売実務における再現性を最優先に設計しています。
- 各閾値は「誤検知 < 見逃し」の方針。販売実績に基づき随時見直します。
- 改訂時は本ページの版数/更新日を更新し、ツール出力末尾の基準版数も合わせて更新します。
11. 変更履歴
- v1.3.0(2025-11-08):異常検知を実装(トップス:肩幅/袖丈/着丈比、ボトムス:ヒップ差/股下/股上/わたり/裾幅)。範囲外時ヒントを明文化。境界表示時の重複ラベルを単一に正規化。
- v1.2.x(~2025-11-07):実測→イーズ控除→日本サイズ帯マップの公開版基礎ロジックを確立。

